布田一樹
福岡県飯塚市で女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人罪などの有罪が確定し2008年に死刑執行された久間三千年(くまみちとし)・元死刑囚(当時70)の妻が9日、2度目となる再審請求を福岡地裁に申し立てた。
確定判決によると、元死刑囚は1992年2月、登校中の小学1年の女児2人をワゴン車に乗せ、首を絞めて殺害。山中に遺棄した。妻が09年に再審請求を申し立てたが、最高裁は今年4月に請求を棄却した。
弁護団によると、今回の第2次請求では、女児が行方不明になったとされる時間帯の後、遺体遺棄現場から十数キロ離れた場所で女児2人を乗せた車を目撃した、との「新証言」を示す。証言者によると、車内にはランドセルがあり、運転していた男は体格や髪形などの特徴が元死刑囚と異なっていたとしている。
弁護団は「(新証言は)元死刑囚が犯人ではないことを立証している」と主張している。
第1次再審請求審では、証拠とされた付着物のDNA型鑑定が、再審無罪となった「足利事件」と同じ30年前の手法であったため、その信用性が最大の争点となった。最高裁決定は「鑑定を除いても、犯人であることの高度の立証がされている」との判断を示した。(布田一樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル